目 次
01 生国魂(いくたま)
02 伊豆諸島という呼称の変更の問題について
03 カクレ青ヶ島ファンだった高円宮憲仁親王殿下の薨去を、こころから哀悼いたします
04 伊豆七島と伊豆諸島
05 《特定外周領域》の淵源とその系譜 ――ひとつの試論のための荒削りの素描――
06 ペリーの浦賀来航と沖縄、小笠原諸島、そして林子平の関係
07 ジル・ドゥルーズの《無人島》を読んでの心覚え
08 御蔵島という島名の中のクラという語の意味
09 尖閣、竹島、北方四島の問題――再び《特定外周領域》について――
10 伊豆七島は静岡県だったんですよ ー ある歴史学者はかく語りき ー
11 青ヶ島で国民年金の担当をしていた頃
12 宗像の津加計志神社と織幡神社を参拝して
13 国会議員および島を愛する全ての人へのお願い
14 公職選挙法施行令(昭和25年5月1日施行)第147条について
15 イザヤ書における「島々」の意味―世界史の交差点としての島々―
16 旧暦の霜月の寒さでタマフリの必要性を感じたこと
17 幻の鬼ヶ島(神奈川県川崎市中原区市ノ坪)を探しに行く
18 大田区の旧・鵜ノ木村の飛地・沖島(奥島)について
19 聖性と賤性が交錯するシマとしての窟
20 玉川弁財天と要島 ― 江戸時代の「水母なす漂へる島」を修理固成した要石の役割 ―
21に続く
13 国会議員および島を愛する全ての人へのお願い
2005.01.10
 
 本HPでは、いままでに何度も、青ヶ島村が昭和31年7月8日の参議院議員選挙の日まで、国政・都政段階での選挙権を当時の『公職選挙法施行令』第147条の規定に依って奪われてきたことについて触れてきました。もちろん、その条文は現在の『公職選挙法施行令』からは消え、かつて、そういう差別的な条文があったことすら解らない状態になっています。ところが、その条文の法的根拠となった法律が、実は、今も存在しているのです。すなわち、『公職選挙法』第8条には、次のように記されているのです。

    (特定地域に関する特例)
第8条 交通至難の島その他の地において、この法律を適用し難い事項については、政令で特別の定をすることができる。

 正直いって、こんな差別的条文が今なお存在していることに、わたしは気がつきませんでした。すなわち、この条文を法的根拠に「交通至難の島その他の地」にたいし、再び選挙権を与えないことも法的には可能なわけです。事実上は死文化しているとはいえ、法律が現に存在している以上、法的原理主義者や、それに追随する官僚がとんでもないことを考えながら、拡大解釈して適用する余地は残されているわけです。
 かつての『施行令』第147条は、明らかに憲法違反です。しかし、それは『法』第8条によって正当化されていたわけです。かつての『令』第147条は最高裁判所の判断を得たわけではないので「憲法違反」とはいえないかもしれませんが、もし仮に憲法違反だとすると『法』第8条も論理的には憲法違反です。ちなみに、当時の『令』第148条には、鹿児島県の十島村(昭和26年12月5日、本土復帰)にたいしも、青ヶ島村と同様の措置が明文化されていた(ただし、一度も適用されなかった)。
 ちなみに、『公職選挙法』(昭和25年4月15日法律100号)は、その後、何度も部分改正されている。平成7年度以降に限っても38回も改正されているにもかかわらず、なぜか第8条だけはそのまま放置されているのである。

 そこで、わたしは、この『公職選挙法』第8条を削除することを、国会議員および島を愛する全ての人に、お願いしたい。
 なお、現在の『公職選挙法施行令』第146条には、選挙事務に関して「青ヶ島村」の名称を冠した次のような条文がある(これは、役立っている)。

 「 (青ヶ島村等における選挙の特例)
第146条 東京都八丈支庁管内青ヶ島村においては、法第百十九条第一項の規定により二以上の東京都の選挙を同時に行う場合における東京都の当該選挙の投票用紙は、第九十七条の規定にかかわらず、東京都選挙管理委員会の定めるところにより、青ヶ島村選挙管理委員会が調整することができる。
2 東京都八丈支庁管内青ヶ島村及び小笠原支庁管内小笠原村並びに沖縄県島尻郡南大東村、同郡北大東村、宮古郡多良間村及び八重山郡与那国町においては、開票管理者は、第七十四条の規定にかかわらず、開票録の写を法第六十六条第三項の規定による報告と別に送付することができる。」

 青ヶ島は離島問題を考えるときの典型なのである。わたしが島を論じるとき、青ヶ島から始めるのは、わたしが青ヶ島に住んでいたということもあるが、青ヶ島が全国の離島の典型として、離島問題を集約的に提出しているからである。

 >>HOMEへ