こうして、たしか就任したばかりの山田常道村長に電話して、重子先生に作っていただき、青ヶ島村役場から博物館へ送ったのである。わたしがそれを実際に見たのは昭和55年の5月か6月のころのことで、仕事(当時、ガソリンスタンドの取材をしていた)で広島へ出かけたついでに立ち寄ったものだと思う。そこには、「娘が若者へ婚約の約として贈る二階建て草履で、男女が一緒になることを表す」という解説付きで、青ヶ島の“ニカイゾウリ(婚約の草履)”が展示されていた。
日本はきもの博物館(広島県福山市松永町4−16−27、電話084−934−6644)には国の重要文化財も含めて、日本と世界の履物がひじょうに多く展示されているが、この“ニカイゾウリ”は今日も常設展示されている。
詳しくは、http://www.footandtoy.jp/hkannaimap.htmlの「信仰・行事とはきもの」の項をご覧ください。