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2003.01.15

◎ 11月24日(日)…本HPの管理人・吉田吉文さんと一緒に、港区赤坂の高円宮邸へ弔問に参りました。その前々日の、吉田さんからのメールには「僕も昔のことを思い出してしまいました。もう10年も昔になってしまったのか。高円宮様には失礼なことをしてしまったと悔いが残ります。…24日には弔問というよりはお詫びのつもりで参ります」とありました。
そのあと、池袋サンシャインシティで開かれていた《アイランダー2002》を観てきました。

◎ 12月1日(日)…この日も、吉田氏と一緒に、品川プリンスホテルで開かれた「川瀬和雄さんを偲びみんなで語り合うつどい」へ出掛けました。平成14年9月30日に亡くなられた川瀬さんは元都教組八丈支部長だった方で、その夫人の喜重子さん(旧姓・佐藤)は、わたしの第一次在島時代、青ヶ島小学校の先生でした。ちなみに、川瀬和雄さんが定年を迎えたあと、都教組八丈支部長になった林薫さんも青ヶ島小学校の教員で、その夫人の林みよ子さん(旧姓・菊池、八丈小島出身:中学生のころ青ヶ島中学との合同修学旅行の体験を持つ)も青ヶ島中学校の国語の先生でした。そして、川瀬喜重子さんと林みよ子さんは独身時代、同じ教員住宅に住んでいました。当時は、同じ住宅を2人で共用する形でした(もちろん、風呂もトイレも台所も)。それでも、教員は恵まれている、と思われていました。つまり、都教組八丈支部長の前・現支部長の夫人は、同じ教員住宅に住んでいたわけです。また、昭和48年9月、林みよ子さんは産休に入りましたが、わたしの妻がそのあと出島するまでの49年1月30日まで産休代替教員をしていました。

◎ ことし年賀状を出した中で、同じころ青ヶ島小学校の社会科の専任教員をしていた西川浩さん(そのご一時期、御蔵島小学校に在職)のお父さんから、西川さんが一昨年7月の亡くなっている、とのお葉書を頂戴しました。西川さんとぼくは、昭和48年ごろ、学校と役場が休みの土曜日の午後や日曜日、竹やぶを掻き分けながら、いしぶみを調べ、謄写印刷の『青ヶ島碑文集』を出したことがあります。
ここで、高円宮様や、佐々木謙次さんをふくめて、ここ一、二年の間に亡くなられた青ヶ島島民や関係者の方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

財団法人日本離島センターの季刊の機関誌『しま』No.192(平成14年11月12日刊)から、『神々の中の島々』の連載を始めました。第一回目は「古事記の中の島々の原郷」です。この連載は、このHPの《島風とシマ神》や、霊性文化研究会と、微妙な形で連動していきますので、ご注目願います。

旅の文化研究所の季刊『まほら』第34号(平成15年1月1日発行)に、「伝説・青ヶ島保育所のオルガン」(400字詰6枚)を書きました。単発のものですが、これは《でいらほん通信拾遺》に連動します

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2003.08.01 霊性文化研究会を杉浦正利さんのミタマの前に返上いたします。
 霊性文化研究会の事務局長でユニヴァーサル・フォーラムを主宰していた杉浦正利さんが、さる6月30日午前1時10分、54歳で逝去されました。
 杉浦さんに初めて会ったのは、8年前の平成7年10月5日。当時、大森にあった出版社コスモ・テンが企画した「古神道秘史セミナー」(同日、11/2、12/21の3回)を聴きに来てくれたときです。その後、杉浦さんは自らユニヴァーサル・フォーラムを立ち上げ、平成9年1月には超歴史学研究会(理事長:斎藤守弘氏 事務局長:杉浦正利氏)をスタートさせました。ところが、その13回目の研究会を平成13年4月、高円寺・氷川神社で開催したあと、運営をめぐって杉浦さんが辞任。その直後、霊性文化研究会を発足させることにし、ぼくにたいして、その代表への就任…等々の要請をしてきました。しかし、ぼくは代表の就任を断り、ぼくが話をしていくからには〈島〉と〈海〉の視点を必ず入れることを要請し、とりあえず協力を約束しました。
こうして、新宿・花園神社で第1回目の研究会が代表者なしでスタートしました。ちなみに、そのとき、ぼくが杉浦さんにたいして示した条件(目標指針暫定案)は、つぎのとおりです。
1. わたしたちは、霊性文化の「霊性」を、レイセイと読むと同時に、シマとも訓みたい。
2. わたしたちは、日本文化の根源を、大地性からではなく、海と島の視点から捉えたい。
3. ただし、わたしたちはあえて大地性には反対しない。
4. わたしたちは、海を、ウミと読むと同時に、アマとも訓んでいきたい。
5. わたしたちは、アマを、天・海・雨・女性…等々の義でも考えたい。
6. わたしたちは、シマを、四方を海によって閉ざされた、いわゆる離島としてではなく、神々が斎き坐します聖なる場所の義と考えたい。
7. わたしたちは、日本を、太陽と大洋へ向って開かれた弧状列島(カミガミのシマジマ)として捉えてゆきたい。
8. わたしたちは、オウという言霊から発するオク・オキ(奥・沖)の概念を、大切なものとして考えていきたい。
9. わたしたちは、根源語オウの概念によって、日本的霊性を発揚させ、弧状列島の社会福祉にも貢献してゆきたい。
10. とくに、わたしたちを取り巻く、あらゆるオクレ(後・送・贈・遅)についても考えていきたい。
11. わたしたちは、世界中のアマ・シマ・ヤマの環境を守り続けてゆきたい。

 こうして今までに計6回、次のようなタイトルで話してまいりました。
 第1回目(平成13年7月1日):三宅島縁起〜『三宅記』の世界〜よみがえるコトシロヌシの神話(新宿・花園神社)
 第2回目(平成13年10月7日):ヒモロギ・カムナビとしてのシマと《オウ・シマ》三宮構造に見る日本の原像(新宿・花園神社)
 第3回目(平成14年3月3日):?常陸国風土記“浮島の村”九社の謎、?死後、二度も流された長屋王の怨念(新宿・花園神社)
 第4回目(平成14年7月7日):記紀神話における島々の発生〜オノゴロ島、淡島とヒルコの周辺〜(大井町きゅりあん)
 第5回目(平成14年10月20日):琉球の島々の御嶽(うたき)と神々〜とくに久高島と大神島の御嶽島と神々について〜(新宿・花園神社) ただし、大神島については日本離島センターの大矢内生気さんが担当。
 第6回目(平成15年3月16日):一尊如来きの(如来教教祖)と中山みき(天理教教祖)の「人間創造神話」における海の霊性…キィワード:泥海神話、変性男子、姫彦制、法華神道、神天上、チャネリング…(新宿・花園神社)

 杉浦さんの逝去に際し、霊性文化研究会を杉浦さんのミタマの前にお返しすることにいたしました。というのも、霊性文化研究会は杉浦さんが創始し、彼の主導のもとで開催されてきたからです。ぼくは、その場を借りて、ただ話をしてきただけに過ぎないからです。
ただし、杉浦さんは生前ある人物から、自分が主宰する団体への合併を申し込まれたことがあるようです。その人も含めて、杉浦さんの遺志を引き継ぎ、かつ、〈島〉と〈海〉の視点と、ぼくという足かせを外した形で、霊性文化研究会を再発足させたいと思う方があれば、霊性文化研究会はその人の自由にまかせたいと思います。
杉浦正利さんのミタマの幸の多からむことを祈って…。とほかみ ゑみため。 惟神霊幸倍比坐世(カムナガラタマチハヒマセ)。 菅田正昭 拍手(忍び手) 拝
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2003.11.01 お知らせ&お願い
 10月31日、拙著『神道(Shintoism)』(現代書館)が発売されます。現代書館のForBeginnersシリーズの95番目の1冊で、厳密にいえば、イラスト担当の画家・森本清彦さんとの共著ということになります。関西在住の友人からは、10月25日に書店で購入した、との連絡がありました。
 この本の〈後ろ書き〉で、「神道へのわたしの歩み」という一文(400字詰め15枚ぐらい)を書きましたが、その〈神道〉を〈島〉と置き換えても構わない内容となっております。わたし自身の、一種の精神史でもあります。わたしのHPの読者の皆様には、この部分だけでもぜひ読んでいただきたい、と思っております。
 神道には興味があるけど島にはない人、その逆に、島には興味があるけど神道にはない人、さらに、どちらにも興味がある人は、ぜひ読んでいただきたく、お願い申し上げます。
 価格は1,200円+税です。ぜひ、お近くの書店でお買い求めください。また、書店にない場合は、できれば書店経由で注文し、お取り寄せくださるよう、宜しくお願い申し上げます。   
とほかみ ゑみため 拝   菅田 正昭  拍手
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2003.12.01
 宮本常一追悼文集『宮本常一 同時代の証言(正・続)』(マツノ書店)が平成16年1月中旬頃、発売されます。正編は宮本先生が所長をされていた日本観光文化研究所が1981年5月1日に刊行したもので、わたしも「あの日から一〇年」という一文を書いております。続編は『しま』『生活学会報』『近畿民俗』等々に納められた追悼文を収めたもので、ここにもわたしが『しま』No.106(昭和56年7月)に載せた「宮本先生の手紙から思うこと」が入っております。興味のある方は、正続編セット6,000円(〒・税込)ですので、マツノ書店(〒745−0032山口県周南市銀座2−13 電話0834−21−2195 FAX32−3195)へ、お申し込みください。
 なお、わたしは、このほか『しま』No.151(平成4年11月)の〈特集:宮本常一は生きているか〉にも「瑞々しい肉体の復活試みた知性」と題する宮本常一論を発表しております。また、『しま』No.194(平成15年6月)の特集「宮本常一は語りかける(最終章)」の田橋弘行、小島孝夫、木村哲也氏との座談会(司会:大矢内生気・日本離島センター総務部長)でも発言しております。この特集号については1冊700円で分けてくれるそうです。できれば、年間購読〔年4回刊行〕3,000円していただければ幸いです。わたしは「神々の中の島々」を連載しております。なお、担当は(財)日本離島センター(〒100−0014東京都千代田区永田町1−11−32 全国町村会館西館5F 電話03−3591−1151)の石戸康弘さんです。

 千葉大学で毎年11月下旬の水曜日、総合講座「伊豆諸島の自然と文化」のなかの1コマとして「青ヶ島の神々と祭り」について話をしております。今年は11月26日でした。そのときの講義のレジュメを希望者に添付メールで差し上げたいと思いますので、メールでご連絡ください。なお、この講座は独立行政法人になったあとも、平成16年度に限り、嬉しいことに、とりあえず存続されることになったようです。

 なお、末尾ながら、良いお年をお迎えください。