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2010.06.01
 青ヶ島では5月中旬になると、大凸部や東台所の峯に薄い霧のようなものがかかり始めます。日毎に、その量が増し始め、一方、神子ノ浦の沖にも海霧が出始めます。海の霧も湧き上がってきて、日毎に厚みを増して、いつしか、霧たちはオカベで出逢い、何度か歌垣を競い合ったのち、合体します。そうなると、目の前は乳濁色の霧だらけ。あたり、すっかり霧に呑み込まれてしまいます。「おめえ、だいどう?」「あぃ、だらら。」 目の前にいるはずの人の顔さえ判らなくなってしまう事もありました。時々、霧の切れ目もありますが、次々と押し寄せるように、霧がやってきます。体中がびしょ濡れです。