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2004.09.01
自注
 池之沢には、青ヶ島火山の地熱を活用した村営のサウナ施設があります。めったに行くことはなかったのですが、たまに出かけた夜はしばしば、ひとり歩いて帰りました。たしか街灯もなく、周りの外輪山に囲まれて、木々の間を歩いていると、ほんとうに何も見えません。真っ暗闇なんです。歩くのも怖いくらい見えないのです。方向感覚もなくなるほどの闇なのです。しかし、目が慣れてくると、道路がほんのかすかに浮かび上がってくるように感じます。空が晴れていれば、木々の隙間から星が見えることもありますし、曇った夜でもボヤッと闇が少し空いたように見えることもあります。そんなときのことを描写したものです。