>>一覧へ  >>HOMEへ
 
   鏡の海 

  
 鏡の海に鏡を沈める
  ピムカよ ピルカよ

 嵐の海に鏡を鎮める
  ピムカよ それはわたしの生き御魂だ

 黄金の太陽が反射をする海
  ピルカよ ならばその鏡はわたしが斎き祀りましょう

 光の海 ピルカの海 未来を照らす
  鏡の海の底に静まる一艘の葦舟

 鏡の海は涙の海
  ピムカの涙とピルカの葦舟
   
 2004.01.01
〈自註〉ピムカはヒミコの、ピルカはヒルコの古い音韻。ヒミコは「日を祀る巫女」あるいは「日の御子」の義。いっぽう、ヒルコのルは格助詞で、やはり「日の子」の義。ピルカにはピカピカ輝くという語感がある。おそらく、どこかで、アイヌ語のピリカという語と通底している、と思われる。しかし、古事記神話では、神々の長子でありながら、葦舟に乗せられて流し棄てられている。
 この詩は、『南海タイムス』平成11年1月1日号に掲載された。なお、南海タイムスのURLは―
―。
    http://www.nankaitimes.com/