あなたという大地は呼吸する
あなたは小さな大自然である
緑が大らかに包み込む
たとえ白いヴェールがどんなに揺れても
冬が大声でどんなに叫んでも
その移ろいは軽やかだ
山が火を吐き 怒涛が叫んでも
ときどき岩が海まで落ち込んでも
あなたと共に生きることを夢見て
先祖たちは苦難を耐え忍んで還住した
あなたの大地の上で歴史を積み上げてきた
此処も彼処もうぶすなのもり
沖つ波が洗い上げた丸石の
その苔むした石段がつづく
外輪山の急斜面に張り付いた
先人たちの汗にまみれた結晶の上を
ぼくたちは一歩一歩踏みしめなければならない