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  六夜様のきんの舟


ガヤ ガヤ ソワカ
風がそやそや葉を揺する
デ デ デ デ デデデー
卜部がたたく太鼓の音
それがまだ耳もとに残っている

みんなが帰ってしまったチョウヤのなかで
線香が漁火となって波間を揺らぐ
消えそうな星々も燃え尽きて
もうすぐ午前二時だ
そろそろ月もあがってくる

風と星々の神座(かみくら) 青ヶ島
その外輪山の一峰に鎮まり坐します東台所神社

わたしは月をみるためにチョウヤを出る
月齢二十六のロクヤサマ
海上には黄金(きん)の船が浮かんでいる

星々の瞳がみつめる鏡の海
赤い帆掛けの黄金の船
そやそや風を受けながら
風と星々の神座をめざしやってくる
寝呆けまなこの妖精が帆を引いた

   
 2002.09.15