槍ノ坂の道が視えない
わたしが歩いた槍ノ坂の道
かつて歩いた坂道の
その入口に足を踏み入れた途端
もう坂道が判らない
竹と雑木が入り込んだ藪・籔…があるだけ
一緒に踏み込んだ仲間の顔すらも視えない
ようやく見つけたスミヨシサマを祀った痕跡
ここは池之沢とオカベを結ぶ峠だから
もちろん池之沢を望むことができる
ところがその先の道が視えないのだ
昼なお暗き坂道があったはずだが
それが全く見当たらないのだ
全て一様のジャングル化した斜面
それでも記憶を辿って降りてはみたものの
わたしがかつて歩いた道の痕跡が
あらゆる痕跡がすっかり消えている
わたしの足の裏も道の痕跡を想い出せない
槍ノ坂の中腹にはハンブンカミサマがあるが
もちろんそこには辿り着けなかった
おお 槍ノ坂天狗よ 槍ノ坂木霊様よ
槍ノ坂の産土の神々よ トウゲサマよ
とほかみゑみため いずれ また参ります
槍ノ坂の坂道のわたしが歩いた痕跡を探すためにも
〔平成28年11月4~7日、八丈島で1泊、青ヶ島で2泊してきました。この槍ノ坂の探検は5日の午後のことです。〕
2月の「うた」
都合により、「でいらほん通信」(〜2014.6.1)は
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